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* ヒューマンプルーブ研究会の目的 [#c730def6]
近年,センサ技術やMEMSの発達により無線インタフェースを備え,人が携帯したり,装着できるサイズのセンサデバイスが登場し始めています.
センサの種類としては,ゲーム機や携帯電話などの小型デバイスに内蔵されるもの,心拍センサのように体に装着し生体情報を収集するもの,GPSデータを取得し位置情報に関連つけたものなど,多種多様なセンサが開発され車に搭載されるだけでなく『人がセンサを持ち歩く』ことが可能な時代になったといえます.
一方,現状のセンシングの分野はそういった技術を活用せず,大規模で粒度の粗い据え置き型のインフラセンサに情報収集を頼っており,きめの細かい計測は不可能な状態が続いていました.
たとえば都市空間においては,近年生活環境が急激に変化しており,局所的な集中豪雨,過密交通網の障害,都市型火災,不審者の出没情報など局所的かつ突発的な環境の変化が起こりえます.
急激な環境の変化を検知できず,毎年多くの痛ましい事故や事件が起きているのも事実です.
一方,粒度の細かい情報を効率よく収集したり,共有する方法は,現在確立できておらず,環境側にセンサを大量の敷設するインフラコストが問題になりつつあります.たとえ設置コストが低下したとしても,センサによるプライバシ侵害の問題が生じます.
本課題を解決する研究領域をHuman Probe(人間による計測)と名づけ,ヒューマンプローブ研究会として活動を行っていきます.人が持ち歩くセンサを活用し環境や自分自身を自ら計測し,グループで共有することでセンシングの粒度を向上できます.またプライバシ等の問題を解決することで,多くの応用分野への展開が可能になります.
既存の情報通信分野の研究では,無線通信の効率化や気象系のセンサなどは研究として行われています.しかし,本分野は,位置測位技術,人体計測技術,センサ間通信技術などの多くの技術を同時に利用し,人間がセンサをもつプライバシなどの社会的な問題もクリアしなればなりません.
そのため,既存の研究会では対応できないため,第3種研究会として分野横断的に,研究者を集め,集中的に議論を行うことといたしました.以下に研究課題をまとめます.
(1) ヒューマンプローブを実現するための技術
モデル化
実現実装形態
データ蓄積方法
データ流通方法
(2)社会,ビジネス分野への寄与
SNSによる情報共有のビジネス化
WEB地図上での情報提供技術,課金モデル等
参加,コラボレーション,プライバシ
データの品質保証,フィルタリング(情報過多の緩和)