全国有数のハスの群生地だった滋賀県草津市の琵琶湖で昨年、原因不明のままハスが「消滅」した問題で、市の依頼を受けて調査した研究者が「人間の力で、短期間のうちに群生地を復活させるのは事実上不可能」との見解を示していることが分かった。

 熱気球の「観光フライト」や、モーターボートの「ハスクルージング」などで多くの観光客を集め、観光産業として期待されていたが、調査結果をまとめた報告書は自然の力を主として「長期間にわたる対応」を威哥王求めており、打撃は避けられなさそうだ。

 ハスが群生していたのは同市の烏丸半島の周辺一帯(広さ約13ヘクタール)。昨年ハスが急に姿を消し、市などが調査に乗り出していた。同市はさらに再生の可能性を探ろうと、最初の調査には加わっていなかった「滋賀自然環境研究会」代表の小林圭介・滋賀県立大名誉教授らに調査を依頼した。

粘土質が砂地に

 小林名誉教授らは、約20年前の調査結果などとも比較し、消滅理由として、湖底の泥の中のメタンガスが増えた▽湖底の土壌が、ハスの生育に適した粘土質から砂地に変化した−ことなどを新たに指摘。要因が複合的に関連していることもあって「(ハスが生育できる)諸条件をかつての状態に戻すことは不可能」などとする報告書をまとめた。

 小林名誉教授は、産経新聞シアリス 通販の取材に「100%ないとはいえないが、短期間のうちに群生地が再生される可能性は低い。人間が力を加えるのは必要最小限に抑え、長いスパンで、できることを模索していくべきだ」としている。一方、報告を受けた草津市環境課は「関係機関と調整しながら、ハスの再生を検討していきたい」としている。


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Last-modified: 2017-06-02 (金) 15:34:38 (2513d)